発達障害は、主に自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)などが挙げられます。これらの障害は十数年前なら、『困った子、問題児』『努力不足』『変わった子』などのレッテルを貼られ、本人の努力が足りないとか、親のしつけのなさ、愛情不足などと家庭環境を原因として長年片付けられてきました。
しかし、近年彼らの『困った行動、つまづき』は脳の一部の機能障害により、年齢相応発達していない事が原因である事が明らかになり、多くの研究がされております。未だ、原因解明の特定には難しいようですが、様々な研究、実例をもとに解説本も多く出版されるようになりました。
発達障害は脳機能の『不具合』によるもので、本人はみんなと同じように努力もしていますし、親も子供に対して気遣っているにも関わらず、障害のある子は定型発達の子より少し違った【特性】が現れてしまいます。(-_-;)
一番困っているのは、子供自身であり、親をはじめ学校の先生、友達の理解が不可欠です。
ここでは、簡略した個々の障害の説明をしています。
…対人関係の難しさ(社会性の障害)言葉やコミニュケーションの発達の遅れ、特定の物へ のこだわりの強さなど、大きく分けて3つの特性を持ちます。自閉症の7~8割は知的な 遅れを伴う場合が多い
自閉症の2~3割に知的の遅れがないタイプが『高機能自閉症』と呼ばれています。こだわり の強さなどから、時間の変更や行事への参加に対応できないことなどがあります。また、高 機能自閉症の特徴を示しながら、言語の遅れがないタイプを『アスペルガー症候群』と呼び ます。彼らは一般的に知能は高く、大人びた表現や丁寧過ぎる言葉遣いをする特徴があります。 ただし、人の気持ちを理解したりコミニュケーションが苦手なので、人間関係を損ねて し まい社会に適応しづらい一面があります。
気が散りやすく忘れっぽい(不注意)、落ち着きがなくじっとしていられない(多動)、自 分の気持ちのコントロールが出来ない(衝動性)などの状態がみられる。
不注意が目立つタイプ、多動・衝動が目立つタイプに分かれます。基本、知的な遅れはないが 約3割程度がLD(学習障害)を併せ持っているようです。
…
聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの基本的な学習能力のうち、 1つ、2つ以上の能力の習得が困難な状態で基本的に知的の遅れは無い。
LDの特徴は、特定の領域に学習の困難さがみられることで、会話は出来るのに、漢字を書く のが苦手、計算は得意なのに、文章題が解けないなど、偏った困難さがあります。 得意・不得意の落差が極端に大きく、本人がどんなに頑張っても克服するのが難しく、普通 の子の「苦手意識」とは格段に異なります。
以上の発達障害は、それぞれの障害の明確な線引きが出来ないため、【発達障害のスペクトラム】という 捉え方が、研究者の学会等で用いられています。
スペクトラムとは連続体という意味で、障害の一つ一つを区別せずに、重なり合う部分の多い連続した 「ひとかたまり」と捉える考え方です。
LD,ADHD,アスペルガー症候群などの診断を個別に受けていても他の障害の特性を併せ持っている 場合が少なくない。ひとりひとりの特性をよく見極めることが大切です。
じっとしていられない、変化に対応できないなどの特性は無理に直すのではなく、まわりの人の理解を 促し、ある程度は許容することも必要です。
最初から高い目標に設定せずに、できそうなところから少しずつ取り組ませましょう。
本人が「できた!」と思える機会を増やす事がポイントです。スローステップでいきましょう!
発達障害の特性は努力や辛抱の不足によるものではないため、叱責は絶対しない。怒られ続ける事で 自尊感情が傷つき、意欲や向上心の低下につながります。出来たことをほめましょう!